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企業でSDGsに取り組む方法やメリット、注意点について解説!

電通が2021年1月に実施した「SDGsに関する生活者調査」によると、SDGsを認知していると回答した人の割合が、前回調査(2020年1月実施)の約2倍にあたる、54.2%であったことが明らかになりました。

このような世間でのSDGsに対する関心の高まりにともない、自社でもSDGsに取り組みたいと考えている企業も多いのではないでしょうか?
当記事では、企業でSDGsに取り組む方法や、取り組む際のメリット・注意点について解説します。

出典:株式会社電通『第4回「SDGsに関する生活者調査」概要

SDGsとは?

SDGs(Sustainable Development Goals)は、世界にはびこる社会問題・経済問題・環境問題を、2030年までに解決し、持続可能な社会作りを行うために立てられた目標のことを指します。2015年に国連サミット加盟国によって採択されました。

日本語に訳すと、「持続可能な開発目標」という意味になり、世界中の誰ひとりとして取り残さないことを前提条件とした、17の目標と、169のターゲットで構成されています。

SDGs、企業にとってなぜ重要?

SDGsが企業にとって重要な理由として、以下の3つがあげられます。

1.企業のイメージが向上する

企業が世界共通の目標であるSDGsに取り組むと、消費者やクライアントに「社会的責任をしっかり果たす会社」という好印象を与えられます。

実際、日経新聞社が21年10月に実施した「Z世代サステナブル意識調査」では、回答者の約7割が、社会的課題やSDGsに取り組む企業に対して好感が持てると回答したことが明らかになっています。

出典:日本経済新聞社「Z世代サステナブル意識調査

2.ビジネスチャンスが生まれる

SDGsは、ビジネスチャンスの創出にもつながります。17の目標の中には、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」といった、国だけでなく企業の協力が必要不可欠な項目が含まれているからです。

実際に日本の企業がSDGsに取り組み、事業を開拓した事例として、以下のものがあげられます。

  • I・T・O株式会社
    二酸化炭素排出ゼロのペーパーライザー(液体ガスを気体にする装置)「SR」の開発
  • アディッドバリュー株式会社
    産業廃棄物として処分されていた「おから」を使用したクッキーの製造

3.コストが削減できる

SDGsへの取り組みは、無駄なコスト削減につながります。SDGsには、「12.つくる責任つかう責任」のように、エネルギーや資源の無駄を無くす項目があるからです。

企業がSDGsに取り組み、コストの削減に成功した例として以下のものがあげられます。

  • 浅川造船らによる瀬戸内造船家具プロジェクト愛媛県今治市で造船を行っている「浅川造船」では、船をつくる際に使う「足場板」の処分に年間2,000万円以上のコストがかかっていました。この問題を解決するため、「株式会社オズマピーアール」「浅川造船株式会社」「ConTenna」の3社は「瀬戸内造船家具プロジェクト」を立ち上げ、足場板を使用したアンティーク家具の販売を開始。結果的に足場板の処分コストの削減や、新規事業開拓、循環型社会への貢献を実現しました。

SDGsに取り組む企業の行動指針「SDGコンパス」

SDGコンパスとは、「企業を対象としたSDGsの取り組み方の指針」のことを指します。持続可能性に関する国際基準の策定を行っているNGO団体「GRI」らによって、2016年3月に作成されました。

指針は、全部で以下の5つのステップに分かれています。

1.SDGsを理解する

企業がSDGsに取り組むには、従業員が研修や勉強会を通して、以下のことを理解する必要があります。

・SDGsとは何か
・企業がSDGsに取り組むことで得られる効果は何なのか
・企業は社会に対して、どのような責任を果たすべきなのか

2.優先課題を決定する

SDGsは目標が17項目ありますが、企業によって達成できる目標や、目標達成のためにできる取り組みは大きく異なります。そのためステップ2では、以下のプロセスで各企業が取り組むべき課題を決定する必要があります。

  1. 自社の行動をマッピング化し、自社の行動がSDGsのどの項目にどのような影響を及ぼしているのかを整理する
  2. 自社と関係の深い目標に関連するデータを収集する
  3. SDGs達成のために取り組むべき優先課題を決定する

3.目標を設定する

自社が取り組むべき課題を決めた後は、SDGs達成のための「いつまでに何をすべきなのか」を具体的に記した目標と、それに取り組むために必要なKPI(主要業績評価指標)を定める必要があります。

この時、自社のデータや現状に基づいて目標を決めるのではなく、世界や社会のニーズから自社が取り組むべき目標を洗い出すのが重要です。そうすることで、宣伝効果や技術革新の向上が見込めるからです。

4.経営へ統合する

達成すべき目標を設定した後は、企業の経営方針にSDGsの考え方を取り入れていきます。そのためには、目標達成した際の報酬を設けたり、部署ごとに何をすべきなのかを細かく定めたりして、社員全員が一丸となって改革を行う必要があります。

また、SDGsの考え方に基づいた経営を行うには、同業他社や取引先と共に協力しあうことも大切です。それぞれの強みや技術を組み合わせることで、目標達成のための新たな解決策発掘につながるからです。

5.報告とコミュニケーションを行う

SDGs達成に関する取り組みと経営を統合した後は、公式HP等でSDGsの達成度を定期的に開示・報告する必要があります。SDGsに関心を持つ人が増えたことで、「企業のSDGsへの取り組みを詳しく知りたい」というニーズが高まりつつあるからです。

SDGsは世界で取り組むべき課題のため、達成度合いの報告には、CDP の「課題別報告メカニズム」や、GRI が定めた「包括的基準」など、国際的に認知されている基準を使用することをおすすめします。

企業がSDGsに取り組む際の注意点

企業がSDGsに取り組む際は、以下の2点に注意しなくてはなりません。

1.取り組みがトレードオフになっていないか

トレードオフとは、何かを成し遂げるために他の何かがないがしろにされてしまう状況を指します。特にSDGsは、経済・社会・環境の3分野の問題解決のための目標のため、以下のようなトレードオフが起こりやすいのが実情です。

トレードオフの例
  • 雇用を増やすために工場を建てたが、その際に森林を伐採し環境破壊が進んでしまった
  • 海の豊かさを守るために漁獲量を減らしたら、そこで働く漁師が貧困に陥ってしまった

SDGsでは「誰ひとり取り残さない」ことが前提条件となっています。そのため、企業でSDGsに取り組む際は、経済・社会・環境の3つの視点から取り組みを客観的に見て、トレードオフが起こらない取り組みかをしっかり確認することが重要です。

2.SDGsウォッシュになっていないか

SDGsウォッシュとは、「SDGs」とうわべだけを飾ることを意味する「ホワイトウォッシュ」を合わせた造語で、「SDGsに取り組んでいるように見せかけること」を意味します。SDGsウォッシュの例としては以下のものがあげられます。

SDGsウォッシュの例
  • 貧困解消を謳いながら下請け企業に劣悪な状況下での労働を強いる
  • 二酸化炭素削減を掲げているにもかかわらず、石油産業に多額の融資を行う

SDGsウォッシュが発覚すると、企業のイメージダウンや顧客からの信用失墜につながります。そのため、自社HP等でSDGsの取り組みをアピールする際は、内容が「SDGsウィッシュ」になっていないかを注意しなくてはなりません。

これらのことに注意をしながら、ぜひ皆さんもSDGsへの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。