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事業者必見!脱炭素経営に取り組むべき理由と事例

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された国際的な持続可能な開発目標です。

目標の13番にある「気候変動に具体的な対策を」を含めた他の目標と絡めた新たな取り組みとして「脱炭素経営」があります。気候変動対策は待ったなしの状況にあり、脱炭素経営がにわかに注目されつつあることは事実です。

本記事では、脱炭素経営を行う理由と具体的な取り組みについて紹介していきます。脱炭素経営を検討している方は、最後までお読みいただき、ぜひ参考にしてください。

注目を浴びる「脱炭素経営」って?

SDGsという時代の流れを受けて、脱炭素経営という新しい取り組みが話題を呼んでいます。脱炭素経営とはいったいどんな取り組みなのでしょうか。

脱炭素経営って何?

脱炭素経営とは、わかりやすく言えば二酸化炭素を出さない経営活動を行うことです。

二酸化炭素の排出ゼロを目標とし、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出を抑えながら経営を行っていくことを目的としています。

脱炭素経営のメリットとデメリットは?

脱炭素経営のメリットとしては、電力会社から購入する電気量を減らし自社で発電した電力で賄うことで、電気代削減につながることが挙げられます。

また、国際的なSDGsの取り組みが必要とされている中で、環境問題に配慮した取り組みを行っていると、海外の取引先から信用されやすくなるのです。さらに、政府が補助金を出して脱炭素経営を後押ししてくれる状況となれば、脱炭素経営自体を軌道に乗せやすくなります。

一方デメリットとしては、初期投資が大きく、経営のための足かせとなってしまう恐れがあります。経済的な体力のない会社、つまり中小企業では支援なしに脱炭素経営はハードルが高いのです。

環境省が推奨している脱炭素経営推進ガイドブック

環境省では、企業が脱炭素経営を行うための支援の一環として、脱炭素経営推進ガイドブックを策定し公開しています。

公開したガイドブックは現時点で3種類あり、TCFD、SBTなどを用いた脱炭素経営に向けた内容のガイドブックがあります。詳細はURL先にございますので、興味がある人は一読してみてはいかがでしょうか。

参考:環境省ホームページ「企業の脱炭素経営への取組状況

脱炭素経営を実践すべき理由って?

そもそもなぜ脱炭素経営を実施するべきなのでしょうか。

主な理由を4つ挙げて紹介します。

1. 温室効果ガスを排出する産業の衰退が懸念されるから

世界的にSDGsで掲げた17の目標を守ることが地球温暖化に歯止めをかけるために必要なことで、温暖化が進むと地球が壊れてしまうことにつながってしまいます。

日本でも、1960年代以降の自動車産業の輝かしい発展と共に、大気汚染のような環境問題に直面したことは事実です。つまり、今の時代では環境問題に敏感で、温室効果ガスを大量に発生させた企業経営は成り立ちにくくなっているのです。

特に二酸化炭素を多く排出するようなビジネスは短期的に良くても、長期的には産業が衰退する可能性に直面する恐れがあります。

脱炭素経営は、温室効果ガスを排出して成り立っている産業からの構造転換を意味します。

2. 新たなビジネスチャンスが生まれるから

脱炭素経営により、今まで見えてこなかった新しいビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

例えば完全エコカー。脱炭素の流れに乗って二酸化炭素を一切排出しない究極のエコカーが完成できれば、世界中で話題となるでしょう。

特に世界的に展開している企業にとっては、「脱炭素の商品」をPRすることによって、優位性を高めることとなり、脱炭素経営の基盤を確立することにつながります。

3. 投資家に対するアピールとなり、出資してくれやすくなるから

環境問題に真剣に取り組んでいることをアピールして、脱炭素経営を実践していることを宣言することは、投資家に対して有効なアピールとなります。

脱炭素経営のデメリットの1つである、初期投資の多額な費用も、投資家が援助してくれることによって克服しやすくなるのです。

客観的にみると、投資家にとっては企業の存続とイメージが重要と考える人も多く、SDGsの流れに乗った経営ができれば、最終的に投資家にも利益が還元されることでウィンウィンの関係を構築できます。

企業にとっては、出資してくれないと商品化が困難な場合があるので、出資してくれる投資家は貴重な存在なのです。

4. 企業イメージが高まり、良い人材が集まりやすくなるから

脱炭素経営を続けていくと、世界的な視点からすれば、環境問題に取り組んでいる企業というイメージがつきます。

企業イメージが高まることで、企業の価値も上がり、良い人材が集まりやすくなるのです。

新人募集や中途募集などで企業が取り組んでいる姿勢に共感して、企業活動がさらに活発化する可能性を秘めています。

つまり、脱炭素経営を行うことで企業の価値が上がり、長期的には世界に名を連ねるような企業となり得ます。

脱炭素経営の具体的な実践事例を紹介!

では脱炭素経営をどのように行っているのか、具体的な実践事例をいくつか紹介します。

TCFDにおける事例

TCFDは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略で、日本語に置き換えると、気候関連財務情報開示タスクフォースとなります。

TCFDで挙げられるのが、ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標の4項目です。TCFDに賛同した実践事例として、キリンビールの取り組みを紹介します。

キリンビールでは気候変動におけるシナリオ分析を行ったうえで、複数のシナリオを立てました。

気温上昇幅をできるだけ抑えた取り組みのシナリオでは、フードロスを削減し自社で普及可能な範囲で再生可能エネルギーの発展に寄与するものです。中にはビール事業で不可欠な大麦やトウモロコシなどの収量減を見越した脱炭素経営戦略が練られたシナリオ分析結果もありました。

これらの分析結果から、キリンビールは気候変動に対応した経営戦略で柔軟に対応していくことが見込まれます。

出典:国立研究開発法人国立環境研究所『TCFDに関する取組事例

SBTにおける事例

SBTは、「Science Based Targets」の略称で、パリ協定で求められた温室効果ガス排出削減目標のことです。気温上昇を基準年から換算して5〜15年の間に2℃以内に抑えることを掲げています。

SBTに賛同した実践事例として、明治ホールディングスでは、太陽光発電設備で自社で発電を賄うことや、再生可能エネルギーで捻出した電力の購入などがあります。

また、将来のリスクを考え、チョコレートの原料となるカカオの収量が減少し、コストアップの可能性を考慮しており、事業の柔軟なシフト展開まで予測しているのです。気温上昇を抑えるため、容器包装の軽量化まで行っています。

出典:環境省『SBT取組事例

RE100における事例

RE100は、現在使用されている電力をすべて再生可能エネルギーに置き換えて使用を促す目標です。大きな理想を掲げていますが、まずは事業に関する部分だけでも再生可能エネルギーで行う取り組みがされています。

RE100に賛同した中小企業を代表して紹介するのが、電気・ガス事業のデジタルグリッド株式会社の取り組み事例です。

再生可能エネルギーで自社電力を賄いつつ、再生可能エネルギーで生み出した電力を電⼒取引プラットフォーム「DGP」を通して、他の事業者に販売する業務のシナリオを策定しています。

大企業のみならず、RE100の達成を目指した高度な取り組みを中小企業が実行に移そうとしているのです。

出典:環境省『中小企業版SBT・RE100取組事例

まとめ

SDGsの流れを受けて、脱炭素経営に舵を切りつつある企業が増えています。

一方で中小企業では初期投資の金額の高さに、脱炭素経営に舵を切ることができないこともまた事実です。

しかし、将来的なことを鑑みると、地球環境に配慮しつつ、新たな活路を見出して利益を生み出す試みが脱炭素経営の本質でしょう。日本でも脱炭素経営が中小企業にも大きく浸透すれば、環境先進国として世界をリードできる可能性があり、今後のゆくえに注目です。