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脱炭素電力とは?その意味と今注目の理由について解説

二酸化炭素やメタンガスなど、私たちが日々の生活で排出する温室効果ガスにより、年々地球温暖化が進行しています。その影響もあってか、地球上では日本のみでなく世界中でさまざまな異常気象も見受けられるようになってきました。

そんな中、現在注目を集めているのが炭素を排出しない/増やさない「脱炭素電力」です。本記事では、脱炭素電力の意味とメリット・デメリット、そして近年注目されている理由についてご紹介します。

脱炭素電力とは:その意味とメリット/デメリット

電力には、化石燃料を燃やすことで発電されたもの、水力で発電されたもの、熱を利用して発電されたものなどさまざまな由来のものが存在します。

このようにさまざまある電力のうち、「脱炭素電力」とは、その発電によって二酸化炭素を排出しない、または増やさない電力のことを言います。

一般的に化石燃料を燃やして電力を発生させる火力発電などにおいては、多くの二酸化炭素が発生しますよね。一方、脱炭素電力においては、二酸化炭素を排出しなかったり、排出していてもそのエネルギー源となる原料が吸収したと推定される二酸化炭素量を下回る排出量で発電します。地球にやさしいエネルギーとして知られる「再生可能エネルギー」もそのうちの一つであり、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱、その他の自然界に存在する熱・バイオマスが「再生可能エネルギー」として定められています。

脱炭素電力は、温室効果ガス排出による地球温暖化を進めさせないためにも重要な役割を担っていますが、資源が乏しい日本においては、エネルギー自給率を上げることにも繋がるため、その点でも注目されています。

他にも、脱炭素電力には多くのメリットがあります。

まず、エネルギー源が枯渇しないことです。

自然由来の脱炭素電力は自然の力を利用して発電するため、枯渇することがありません。数十年後には枯渇すると言われている石油などと比べると、資源の心配をする必要がないため長期的な視点で大きなメリットがあります。

また、同じく自然由来のエネルギーであるため、場所を問わず全国どこでも供給することができます。さらに、新たに脱炭素電力の発電所を設置するとなると、それに伴って働き手を必要としますので、全国に発電所を設置することでその土地の人々が働く場所も提供できる、つまり雇用の創出につながるというわけですね。

ここまでは脱炭素電力のメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットも存在します。

脱炭素電力は自然の力を使って発電するため、太陽光、風など天候によって発電量が大きく変動してしまうものもあります。また、現段階ではまだまだ脱炭素電力の発電にかかるコストは従来のものに比べて高くなっています。

他にも、別の用途で資源を使用している業者との争い事になる可能性があることや、従来の発電方法よりも小規模になってしまうため、電気利用者が支払う料金が高くなる可能性があります。

このように改善の余地はまだまだありそうですが、開発が進んで安定的に安価での供給ができるようになれば、脱炭素エネルギーが主流になるかもしれませんね。

なぜいま脱炭素電力が注目されているのか

では、なぜいま、これほどにも脱炭素電力に注目が集まっているのでしょうか。

きっかけは世界的に「カーボンニュートラル」を目指す動きが活発になったことです。「カーボンニュートラル」とは、地球上の温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を均衡させる考え方のことを言います。

簡単に言うと、私たちが日々の生活で排出している温室効果ガスの量から、植林等で吸収できる量を差し引いて、実質ゼロを目指す考え方のことを指します。

世界では、2015年にパリにおいて温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「国連気候変動枠組条約締約国会議」が開かれました。そこで合意されたのが「パリ協定」です。パリ協定は2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みであり、そこには「21世紀後半には温室効果ガス排出量と吸収量のバランスを取る」という長期的な目標が掲げられました。これがカーボンニュートラルの考え方です。

このパリ協定がきっかけで、先進国のみならず発展途上国に対しても温室効果ガス削減の義務が課されました。

また、日本では2020年10月に、当時の菅首相が2050年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言しました。この宣言は、「2050年カーボンニュートラル宣言」と呼ばれ世間の注目を浴びています。

さらには、この宣言に伴って経済産業省が中心となり、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。そこではカーボンニュートラルを実現させるための具体的な見通しについて述べられています。

広がる「脱炭素電力」の利用

前述のカーボンニュートラルを実現するためには、そもそもの電力消費量を抑えることと、電力発電の際にCO2排出を抑えることの二方向からのアプローチが必要になります。

近年では、後者の方法の一つとして脱炭素電力が活用されてきており、環境省では再生可能エネルギー導入をサポートする「再エネスタート」という取り組みも始まりました。この「再エネスタート」のサイト上では、個人/自治体/企業のそれぞれに向けて脱炭素化に関する情報が発信されています。

<再エネスタート Webサイト>
https://ondankataisaku.env.go.jp/re-start/

脱炭素化に向けた具体的な取り組みとしては、例えば、現在契約している電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたり、自治体と共同で再生可能エネルギーを購入したりすることが挙げられます。環境省は脱炭素電力の導入に関して、補助金の支給も行っているため、条件が揃っていればお得に利用することも可能です。

他にも、外部から電力を買い取るのではなく、太陽光発電を利用して自家発電を行うという方法もあります。屋根上に設置したパネルで発電するため、電気代の節約にも繋がります。万が一、災害で停電が起こってしまっても日中は電力を確保することができますし、蓄電池があれば夜間でも電力を使用することができるため、BCP(事業継続計画)の観点からも非常に有効です。さらに、発電量が多くて余ってしまった電力は電力会社に売買できるというのも嬉しいポイントですよね。

このように、脱炭素電力の利用と脱炭素化の取り組みは意外と身近なところでも進んできています。電力を切り替えたり太陽光発電パネルを設置することは、今や個人としても企業としても手軽に取り組むことができます。この機会に脱炭素電力への切り替えを検討してみるのはいかがでしょうか。

まとめ 

今回は、脱炭素電力の意味と注目の理由、そして広がる利用実態についてご紹介しました。

世界的にカーボンニュートラルを目指す動きがある中、私たちも個人として、また、会社などの団体に所属する一員として、日頃から省エネや脱炭素化に取り組みたいですよね。一人一人の努力が募り募って、カーボンニュートラルの実現に一歩近づくように思います。

脱炭素電力は活用の方法によっては、環境だけでなく家計にも優しいですし、手軽に取り組むことができます。ご興味を持たれた方は、この機会にぜひ色々と調べてみてください。